Minoru Matsushima,Business producer working for RSS Advertising Inc.


by minorutominoro

中平卓馬 (KAWADE道の手帖)

今読んでる本の紹介です。
森山大道・荒木経惟と並び称される中平卓馬の、対談集・エッセイ・批評をまとめた一冊。

中平卓馬 (KAWADE道の手帖)

中平卓馬 (KAWADE道の手帖) (KAWADE道の手帖)

河出書房新社




自分の中では浅田彰の批評が秀逸。転記しておく。


ヨーロッパが超越的な価値を捨てきれない老人の資本主義で、アメリカが価値を内面化した
大人の資本主義なら、日本は子供の資本主義で、自己責任等内面化していない人たちが
コンピュータ・ゲームでもプレイする様にして(中略)、日本の資本主義はポストモダン資本主義の
一つのモデルとして広まっていくかも知れない、(中略)
それにつれて、表現の領域でも、幼児化した主観性がそのまま垂れ流される様になった。
(中略)村上隆にせよ、この横浜美術館で大きな展示会のあった奈良美智にせよ、
戦略的にであれ無意識的にであれそういう傾向にうまく乗ることで世界的に名声を博し、また逆輸入に
よって国内でも有名になったわけですよね。
(中略)
それに対し中平卓馬は、主観性の後退という道を拒絶しながら客観性への回帰という道も取りえなかった。いわば私と世界が遭遇した瞬間もろとも解体されてゆく、もういうきわどいモーメントに賭け続けようとした。


日本人の幼児化したメンタリティとは完全に決別した表現手法は、今の時代を切り取っていく
精神として非常に重要だと思っている。
日本人の類稀なるブログの普及も、ゆるゆるのSNSも、ケータイ小説も、
この垂れ流した私への居直りとしての表現と捉えられるのではないかと考えられる。

アラーキー、HIROMIXの流れとも、杉本博司の流れともちがう、
学生時代にカストロに手紙かいて義勇軍に応募するくらいぶっとんだ写真家です。

メディアにたずさわる職業の人で、この人の存在はとてつもなくでかい。
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by minorutominoro | 2009-03-03 01:12 | Media Communication